列車は人生初の東北、仙台付近を粉雪舞い上げて快走していました。
暗闇の中でも部屋の明かりを落として、夜の景色を眺められるのもこうして照明を自由に扱える寝台個室だからこそです。
さて、いよいよお待ちかねのパブタイムの時間に近づきました。
通常のディナータイムとは違い予約なしで軽食やおつまみをいただけることから、このパブタイムも非常に人気で毎回行列ができるのは当然のよう...
僕が向かった時には5,6団体の列ができており、その列に並び顔を窓に押し付けて景色を眺めたり、ツイッターの更新や閲覧等を行っていました。しばらくすると食堂車下の廊下を埋め尽くすように列ができており、少し遅れていれば大変な目にあったと思いました。徐々に徐々に列は進み、回されてきたメニューを見ながら何を食べるか考えていました。(懐石御膳を思う存分いただいたのに、昼も朝も食べていなかったのでペコペコです...)
結局夜遅いこともあり、マルゲリータを一枚二人で分けることになりました(よりによってどうしてマルゲリータなのでしょうかね...)。
そうこうしているうちに列は進み、店員さんに「相席になってしまいますがよろしいですか?」と尋ねられ、おなかもおなか時間も時間列も列だったので、仕方なく今回はお食事目的で相席に...
大好物のマンゴージュースもあったので、ちょっぴり贅沢してマンゴージュースとマルゲリータを注文しました。
やはり満席だったためか、そう早くは来ませんでしたがそれでも10分程度すれば運ばれてきたと思います。
おいしそうなパリッパリの薄い生地にのった、チーズとバジルとトマト。
四等分に分けられたマルゲリータを2枚ずつ分け合って食べましたが、一口で食べてしまいました。
濃厚なマンゴジュースも最高で、普通の洋食店やカフェ等でもあまりマンゴージュースが出ることはないのにあの夢のカシオペアで飲めたのでうれしかったです。
まだまだおなかはすいていたものの、ラストオーダーの時刻にもなっており仕方なくそれだけで...
ジュースについてきたカシオペア特製コースターをお持ち帰りし、レジにてお会計を済ませて部屋に戻りました。
ご馳走様でした‼‼
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(↑ダイニングカー入口に掲示されている案内です。)
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(↑取り損ねたマルゲリータの残骸...すみません撮り忘れました。でもおいしかったです。)
部屋に戻ると展望窓に雪が少量付着していました。少しづつ雪国へと向かっていることを実感しました。
もうまもなく岩手県、盛岡駅に到着です。
到着前にせっかくですから部屋に備わっているお風呂でさっぱりしたいと思い、シャワーを浴びることにしました。こうして車内でシャワーを浴びるのも昨年の関西周辺旅行時のサンライズ瀬戸以来ですから、まだまだ新鮮な感じ...
ただ、部屋に備わっているという贅沢さがまたなんとも上質なバスタイムを提供してくれるわけでした。
脱いだ服はベッドに放り投げ、バスルームへ。
カーテンを閉めて部屋に備え付けられていたアメニティグッズから取り出したシャンプー類をそれらしき台に置いて、左右に揺られながら温かいシャワーを浴びました。室内のシャワーは2人合わせて18分。少々ゆったりと使ってだいたい6分でしたから、もう少し急げば翌日の朝にもう一度シャワーを浴びるのもいいかもしれません。
シャワールームは室内とは異なり排気口なども備わっているためか音の響き方が違い、車輪のカタコトという軽快な音が幸せなバスタイムの音楽を奏でました。ああぁ~、あんなお風呂が自宅にもあればなぁ...
のらりくらりと左右に揺れ、カタコトと奏でる軽快な走行音...本当に夢の世界ですね...
そうしてゆったりとシャワーを浴びてあがったころには列車は盛岡駅に到着していました。
ここからは「IGRいわて銀河鉄道」と「青い森鉄道」の区間です。
少し驚いたのはこんな夜遅くでもカシオペアを一目見ようと駅に出てこられる方がいるということです。考えてみればその地域に住んでいる地元の方々は、その時間帯しかカシオペアを見れませんからね...
カシオペアに乗って住まいの違いによるそんな不便さがあることに気づきました。

ここから先は特に停車駅もないため、運転停車を行う青森駅まで睡眠をとることにしました。
こうやって列車に揺られながら寝るのもここだけのチャンスです。さらに、よく考えれば列車の進行方向に左右されず、線路に対して垂直の方向で2人とも寝られるのはここカシオペアスイートの展望タイプだけなんですよね。
はしゃぎすぎて疲れたのか、布団に入るとすぐスヤスヤと眠ってしまったようです。

設定した目覚ましで目が覚めると、まもなく運転停車駅の青森でした。運転停車とは、乗客の乗降は行わず乗務員の交代や荷物の積み込み、方向転換や車両の増解結、列車すれ違いなどを行うために駅に停車することです。主にカシオペアのような寝台特急・特急マリンエクスプレス踊り子号のような単線区間を運行する優等列車などで行われます。
このカシオペアでは、翌日の朝食の材料や車内販売の商品の積み込み、列車進行方向の転換と機関車付け替えのために青森駅に停車すると聞いています。
ビデオカメラの電源をいれると列車は青森駅に進入。しばらくすると向こうからヘッドライトを輝かしてED79がこちらに向かってゆっくりとやってきます。ED79が青森駅に進入すると、すぐに連結作業が始まり数十分程度で終了しました。カシオペアは少々連結部分がへこんだ形の構造ですので、連結部分を見るのにはおでこを思いっきり窓にぶつけてへこますぐらいでないと見えないのでちょっと苦労しました。
ただ、この下りカシオペアでのED79の連結作業はここカシオペアスイート展望タイプからしか見えませんので
逃さずに起きておきたいポイントですよね。2月時点での青森駅到着時刻は1時50分ごろですから、少々眠たくなる時間かもしれませんが貴重な機会ですので、ぜひご覧ください。ビデオ撮影時、」容量などを節約したい方は1:45前からソファに座って景色を眺め、列車の速度が落ち始めていろいろな車両たちが留置線に止まっているのが見え始めたら録画を開始すると良いと思います。
連結作業が終わると、列車はしばらく静かに停車していますので少々車内を移動することに...
窓から見える青森駅のホームは本当に静かで、人影は見えませんでした。
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(↑カシオペアの車内から記念に撮影。)
約1時間後、列車はゆっくりと滑らかに動き出しました。
展望窓からは赤いED79が間近に見えます。こちらの展望室もやはり相当な防音ができているようで、ED79の音は少しも聞こえず静かな旅が続きました。人生初の青函トンネルなので、その様子を一目見てみようとここからはずーっと起きてます。
ただ、青函トンネル突入までにソファで体勢を崩していると徐々にウトウトしてきます...
そこで青函トンネル突入ぎりぎりまで再び布団へ...
またしても携帯のアラームで目を覚ますと何度か短いトンネルを通過していき列車は青函トンネルへ。
驚いたのが列車が青函トンネルに進入した途端、ブワァーっと展望窓一面に水滴がつくのです。これには驚きました。詳しくは知らないのですが、いろいろな方の情報を耳にしているとどうやら海底トンネルなので、湿度がものすごく高くなり列車の進入と同時に水滴が付くそうです。また、こうして青森駅にて機関車を取り換えるのも青函トンネル内での「塩害」などによる車体の劣化や「長距離の急勾配」への対策だそうです。
トンネルを部屋の窓から見ているとチカチカと通過するたびにトンネルのライトが見えます。しばらくするとそれとは別に明るい何かが2秒ほど見えました。
よ~く見てみると何かあったような...
あれ?と思ったのはもしかしたら海底駅だったのかも...もとから見てみたいとは思っていましたが、早すぎて一瞬のうちに消えてしまいました...
30分ほどすると、列車は青函トンネルを抜けて何度か小さいトンネルをくぐると...
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(青函トンネル通過後の車窓。カシオペアの軽快な速さに負けて少々ブレてしまっていますが、写真では伝わらないほどの絶景でした。手前の広い黒の部分はすべて海です。こんな絶景は北海道ならではですよね...)
おおおおおっ...圧巻!美しい光が海岸線をなぞるように輝いて今までにない車窓を演出します。「ここが、北海道。」という感じの圧巻さ...
父親と二人して「おおおっ」というだけでした。それくらい、押し倒されそうなくらいの美しい景色が、展望車の車窓にあらわれました。
これが僕の北海道鉄道初上陸で与えてくれた感動でした。そう、青函トンネルを抜ければそこは広大な北海道‼

そんな景色が流れながら、列車は北海道最初の停車駅「函館」へと向かいます。
いくつかの北海道の列車たちが車庫に止まっているのを眺めながら、徐々に速度を落としていき函館駅に到着します。

到着するとすぐにED79の解結作業が始まります。ここ函館駅は青森駅と違い、通常の「停車駅」ですので反対側のラウンジカーDD51連結もホームから見学できます。つまり、一度に二つのイベントが...
ということで、父親はラウンジカーへ、僕は室内からビデオ撮影を、という形で手分けして撮影に...
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(↑すべて函館駅にて室内から撮影。上2枚は列車が動き出してED79から離れるときに室内から撮影しました。)
青森駅よりも停車時間は短いですが、解結が終了すると発車まで少々の時間がありましたのですこしホームに降りてみることに...
北海道初鉄道上陸‼涼しいひんやりとした空気を吸って、車内へと戻りました。この時すでに1分ぐらいの遅れがあったような...
さて、いよいよカシオペアの朝が来ます!
(続く...)